ポケ沼

ポケモンLOVEやで〜

『無職のポケモン廃人』女とデートする【短編小説】

みなさん、こんにちは。洋之介です。

今回は、短編の小説を書いたのでそれをブログにのせます。

興味をもった方は、読んでくださると嬉しいです。

TIKTOK

TikTokでも同じ内容の小説動画をあげているので、良かったらフォローしていただけると嬉しいです。

www.tiktok.com

 

本編

『無職のポケモン廃人』
女とデートする
 
男と女はカフェにいた。
マッチングアプリで出会った彼女たち。
今日が初デートの日。
男が先にカフェへ到着していて、
女が後で合流した。
 
マッチングアプリのバイオレット
さんですよね? 
今日はよろしくお願いします」
 
「はい、マッチングしました。
対戦、よろしくお願いいたします」
 
対戦? 何の話?
そんな疑問が女の頭を埋め尽くした。
だが、メガネをかけていて、
知的、優しそうな男を見て、
女は好印象だった。
 
店員さんに注文をし、料理が届いた。
男が頼んだのはオムライス、
女はカレーだった。
 
「バイオレットさんは、
玉子が好きなんですか?」
 
「卵……?
昔ほどではありませんが、そうですね。
厳選でたまに使用したりします」
 
「厳選ですか? 
そんなにこだわりがあるなんて、
すごいです!」
 
「いえ、別にすごくありません。
この界隈では普通です」
 
男は淡々とそう言った。
玉子好きにはそういう界隈があるのか、
女はそう思った。
 
話は進み、好きなタイプの話になった。
 
「バイオレットさんの好きなタイプって
どんな人ですか?」
 
「好きなタイプ……?
迷いますが、フェアリーですかね」
 
「フェアリー?
妖精みたいってことですか?」
 
「そうですね。
フェアリータイプは、受けをとっても
攻めもとっても優秀。
最強のタイプだと思っています」
 
女は眉間に皺を寄せ、肩をすくめた。
え、何それ? キモ。
そう思った。
 
「あなたが好きなタイプは何ですか?」
 
「私は、変わってる人が好きです」
 
「なるほど。いいですね。
変わったタイプは、相手の意表がつけます」
 
「そうなんです。
意表を突かれる感じが癖になります」
 
「ハハハハハ。
それがわかっているなんて
素晴らしい。
君は、いいプレイヤーになる」
 
男は急に笑った。
今日初めて笑った。
死んだと思ったセミをつついたら
突然飛び上がってきたような、
そんな不快感を感じた。
 
「あ、そろそろ時間か」
 
「何か用事ですか?」
 
「えぇ。
毎日50戦、対戦するのが私のノルマです。
今帰えらないと間に合いません」
 
なんなんだコイツ、女はそう思った。
 
その後、男はお会計もしないで帰った。
 
女は眉間に皺を寄せ、
渋々伝票を持ち、お会計をした。
 
なぜ、私があの男の分も
お会計しないといけないのか。
なせ、私をほったらかしにするのか。
初めて男にそんな態度を取られた女は、
イライラした。
 
その後、男からメッセージが届いた。
 
『また、対戦しましょう』
 
女はこう返した。
 
『ごめんなさい』
 
ポケモン廃人と女は相容れなかった。
 

終わりに

ポケモン廃人の小説を書きました。

良かったら感想などを伝えていただけると、とても喜びます。

よろしくお願いします。