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『無職のポケモン廃人』子どもを泣かせてしまう【短編小説】

みなさん、こんにちは。洋之介です。

今回は、短編の小説を書いたのでそれをブログにのせます。

興味をもった方は、読んでくださると嬉しいです。

 

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本編

『無職のポケモン廃人』
 子どもを泣かせてしまう
 
 2023年10月13日(金)。
 無職のポケモン廃人は、近所の公園でポケモンをしていた。
 
 細い体躯に銀縁の丸メガネ。
 黒のフード付きジャージを身につけ、
 マスクとイヤホンを装着。
 
 ポケモン廃人は、秋の涼しい風に吹かれながら、
 今日もポケモンに没頭する。
 
「なあ、ポケモンやってるん?」
 
 ポケモン廃人は、後ろから肩を叩かれ、
 誰かに声をかけられた。
 
 うん? なんだ?
 
 そんなことを思いながら、顔を上げると、
 そこには子どもが3人いた。
 
 一人は、上下ともに赤のラインが入ったジャージ姿で、
 髪型はツーブロック
 どこか自信に溢れていそうな雰囲気があり、
 サッカーでも習っていそうな格好。
 名前はコウキというらしい。 
 
 もう一人は、半袖半パンで、
 髪型は坊主。
 将来相撲部にでも入ったら
 良い結果を残しそうな体型をしており、
 すごくパワーがありそうな子だ。
 名前はダイスケというらしい。
 
 最後の一人は、
 真ん中に堂々とピカチュウがプリントされた
 長袖のTシャツを着用しており、下はジーパン。
 少し大人しそうな雰囲気があって、
 メガネをかけており、
 前髪が眉毛のところで綺麗に揃えられている。
 ポケモンのナップサックを手に抱えているので、
 ポケモンがかなり好きそうな子だ。
 名前はヒロトというらしい。
 
 どうやら3人とも、小学校2年生みたいだ。
 
「俺と勝負してや!」
 コウキはそう言った。
 俺は100%勝てる、俺には明るい未来しか待っていない、
 そんなキラキラした眼差しを放っている。
 
「ええ。いいですよ」
 ポケモン廃人は、優しく微笑みながらそう返す。
 俺にもこんな頃あったかもなぁ、
 そんな思いに浸り、目が自然と細まる。
 
「兄ちゃん、辞めといた方がいいぜ。
 コウキには絶対に勝てない。アイツは強すぎる」
 ダイスケは、
 自分の友達を自慢するように胸を張ってそう言った。
 
「なあ、ヒロトもそう思うだろ?」
 
「うん。だって、僕のポケモン全員一撃で
 やられちゃったんだもん。勝てるはずないよ」
 ヒロトは、過去を思い出し、震えながらそう言った。
 どうやら相当ボコボコにされているらしい。
 
「よし、じゃあ6匹の中から3匹選ぶルールね」
 コウキは、ニヤニヤしながらそう言った。
 
 そして、対戦が始まる。
 
 ☆見せ合い画面
 
 ○ポケモン廃人
 ガチグマ(アカツキ
 ハバタクカミ
 コノヨザル
 ゴリランダー
 イーユイ
 
 ○コウキ
 ウェーニバル
 ガチグマ(アカツキ
 エルレイド
 テツノイバラ
 
 今回対戦するルールは、
 いわゆる”63シングル”と呼ばれるルールだ。
 このルールは、見せ合い画面で互いに
 6匹のポケモンを確認し、
 相手の6匹に対して勝てそうな3匹を
 制限時間内に選んで対戦するシングルバトルルールである。
 
 ポケットモンスターSVで対戦の強さを競う
 “ランクマッチ”でも同様のルールが採用されており、
 ポケモン対戦で最もポピュラーなルールだと言える。
 
 ポケモンを3匹選出する時間が終わり、
 対戦が開始した。
 
 ○0ターン目
 ポケモン廃人は、コノヨザルを繰り出した。
 コウキは、カイオーガを繰り出す。
 カイオーガの特性”あめふらし”によって、
 天候が雨になる。
 
「あーあ、あの兄ちゃん終わったなこりゃ。
 コウキのカイオーガは強すぎる」
 
「そうだね。コノヨザルも一撃でやられちゃうよね……」
 
 対戦をしていない、
 ギャラリーの子どもたちが喋っている。
 
 ○1ターン目
 コウキのテラスタルオーブとカイオーガが反応し、
 カイオーガが"水テラスタル"する。
 カイオーガが先行し技”しおふき”
 コノヨザルの道具”きあいのタスキ"が発動し、
 コノヨザルはHPが1残る。
 コノヨザルの”ステルスロック”、
 コウキのフィールドに尖った岩が食い込む。
 
「え!! あの兄ちゃんのコノヨザルすごいな。
 カイオーガの”しおふき”を耐えるなんて」
 
「うん!! でも、”ステルスロック”って技、
 カイオーガにダメージを与えられてないけど、
 意味あるのかな……」
 
 カイオーガは非常に攻撃性能の高いポケモンだ。
 元々の能力値が高いことに加え特性の”あめふらし
 が非常に強力である。
 
 “あめふらし”は、天候を雨状態にすることによって、
 水タイプの技の威力を1.5倍にすることができる特性だ。
 
 技の”しおふき”は、自分のHPの割合が多いほど威力が上がる技で、
 今コウキが使用した”しおふき”の威力は最大火力の150。
 雨+”しおふき”のコンボは恐ろしく、カイオーガのこの戦法は
 ポケモンプレイヤーの中でも有名なコンボだ。
 
 さらに、今作で登場したテラスタルは、そんな強力なコンボを助長する。
 テラスタルというのは、ポケモンSVで追加された新要素だ。
 ポケモンが結晶化することにより、
 ポケモンのタイプを指定のテラスタイプに変更することができる。
 ポケモンはテラスタイプに変更されると、
 そのテラスタイプの技の威力を上げることができる。
 今回、コウキはカイオーガを水テラスタルした。
 これによってカイオーガの”しおふき”の火力は更に強化される。
 通常、コノヨザル程度のポケモンであれば一撃で倒されるはず……。
 
 では、なぜ倒されなかったのか。
 
 それは、コノヨザルが持っていた持ち物
 “きあいのタスキ”の影響である。
 “きあいのタスキ”は、ポケモンに持たせると
 HPが満タン状態の時にのみ発動される道具である。
 その能力は、通常そのポケモンがやられるであろう攻撃を受けても
 HPを1だけ残して耐えることができる、というものである。
 
 これによってコノヨザルは、
 通常耐えられないカイオーガの”しおふき”を耐えることができ、
 “ステルスロック"使用することに成功した。
 
 「チッ」
 コウキは、カイオーガの攻撃を耐えたコノヨザルを見て
 舌打ちをした。
 
 ○2ターン目
 カイオーガの”しおふき”
 コノヨザルは倒れる。
 ポケモン廃人は、新たにゴリランダーを繰り出す。
 ゴリランダーの特性”グラスメイカー”により、
 フィールドがグラスフィールドになる。
 
「あ……やられちゃった。
 やっぱり大人でも、
 コウキくんのカイオーガには敵わないんだね……」
 
「次はゴリランダーか。
 草タイプだからカイオーガには有利だけど、
 それでもカイオーガには勝てないな」
 
 ポケモン廃人が繰り出したゴリランダーは、
 草タイプのゴリラをモチーフにしたポケモンである。
 特性の”グラスメイカー”が非常に強力で、
 フィールドがグラスフィールドになり、
 草タイプの技の威力が1.3倍、
 そして毎ターン最大HPの1/16の体力が回復される。
 
 「よしっ!!」
 コウキは、コノヨザルを倒し、ガッツポーズした。
 
 ○3ターン目
 カイオーガの”しおふき”
 HPが残り2割ほどでゴリランダーは耐える。
 ゴリランダーの”つるぎのまい
 ゴリランダーの攻撃がぐーんと上昇。
 グラスフィールドの効果により、
 ゴリランダーの体力が1/16回復する。
 
「あの兄ちゃん全然攻撃しないな。
 勝つ気ないのかな?」
 
「そうだね、このままじゃ、
 何もできずにやられちゃうよ」
 
 このターンゴリランダーが使用した”つるぎのまい”は、
 攻撃ランクを2段階上昇させる技である。
 ポケモンには、ランク補正というものが存在し、
 ポケモンのステータスを変化させることができる。
 攻撃ランクの場合は、1段階上昇すると火力が1.5倍、
 2段階上昇すると火力が2倍、3段階上昇すると火力が2.5倍、
 というように攻撃力が上昇していく。 
 最大で6段階まで上昇し、その場合は火力が4倍になる。
 
 今、ゴリランダーは”つるぎのまい”を1度使用しているので、
 火力が2倍になっている状態だ。
 
「あー、くそ〜。耐えられちゃうか〜」
 コウキは、ニヤニヤしながらそう言った。
 クリスマスプレゼント何買ってもおうかな〜、
 楽しみだな〜、
 そんなことを考えていそうなご機嫌な表情である。
 
 
 ○4ターン目
 ゴリランダーの”グラススライダー”
 カイオーガは一撃でダウンする。
 ゴリランダーは、道具”いのちのたま”によって、
 体力が1/10削れる。
 グラスフィールドの効果により、
 ゴリランダーは体力が1/16回復する。
 コウキが次に繰り出したポケモンは、
 ステルスロックの効果により、
 ミュウツーの体力が1/8削れる。
 
 
「え、あの兄ちゃんのゴリランダーすげぇ。
 あのカイオーガを一撃で倒すなんて」
 
「そうだね。
 でも、さすがにミュウツーには勝てないよね……」
 
 このターンゴリランダーが使用した
 ”グラススライダー”は、威力55の草タイプの技である。
 フィールドがグラスフィールドの時だけ、先制技になり、
 特性が”グラスメイカー"のゴリランダーととても相性がいい。
 先制技というのは、ポケモンの素早さステータスに関係なく
 先制して攻撃できる技である。
 カイオーガとゴリランダーなら素早さのステータスが高いので、通常カイオーガが先制する。
 しかし、ゴリランダーが先制技を使用することにより、ゴリランダーが先に動いた。
 
 ポケモン対戦において、先制技の有無というのは、
 ポケモンの強さを決める大事な要素の一つである。
 
「は? なんで先に動くの? ……まぁ、いいやミュウツーいるし」
 
 コウキは眉間にしわを寄せながらそう言った。
 
 ○5ターン目
 ゴリランダーの”グラススライダー”
 ミュウツーは一撃でダウンする。
 ゴリランダーは、道具”いのちのたま”によって、
 体力が1/10削れる。
 コウキが次に繰り出したポケモンは、
 ガチグマ(アカツキ)。
 ステルスロックの効果により、
 ガチグマ(アカツキ)の体力が1/16削れる。
 
「え!! ミュウツーも一撃!!
 ゴリランダーってそんなに強かったの!!」
 
「あの兄ちゃん、なんかやべえー。
 コウキに勝っちまうかもしれねえ……」
 
 このターンもゴリランダーは”グラススライダー”により
 ミュウツーを先制して攻撃し、一撃で倒した。
 通常ミュウツーは、伝説のポケモンと言われており、
 ステータスが高い。
 なので”グラススライダー”ぐらいの攻撃なら耐える。
 
 では、なぜ倒せたのか?
 
 それは”つるぎのまい”、”ステルスロック”、”いのちのたま”の効果である。
 
 ゴリランダーはカイオーガとの対面で”つるぎのまい”を使用していた。
 これにより攻撃力が2倍となっている。
 
 “ステルスロック”は、ポケモン廃人が初ターンにコノヨザルで使用した技である。
 いわゆる"設置系の技”であり、ポケモンが交代するごとに
 そのポケモンがダメージを受ける技である。
 威力としては、通常1/8ダメージを与えられ、
 岩タイプの技が効果抜群の相手には1/4、
 岩タイプの技がいまひとつの相手には1/16,
 というように変化する。
 
 “ステルスロック”は、地味な技で、
 そんな少しのダメージを与えて意味あるのか?
 と思うかもしれないが、ポケモンのシングル対戦においてかなり重要な技である。
 “ステルスロック”があることによって、一撃で倒せるようになったり、
 先ほど紹介した”きあいのタスキ”を無効にできたり、
 特定の特性を発動しないようにできたり、
 使用用途は多岐にわたる。
 
 ゴリランダーの持ち物”いのちのたま”は、
 火力を上昇させる道具である。
 具体的には、火力が1.3倍になる。
 ただデメリットもあり、
 攻撃技を使用すると体力が1/10削れてしまう。
 
 “つるぎのまい”、”ステルスロック”、”いのちのたま”によって、
 ゴリランダーは、ミュウツーを一撃で倒せた。
 
「は? なんなんマジで? キッモ。
 キーーーーモ。ゴリランダーってなんなん?
 なんなんマジで。は?」
 コウキは顔を赤くし、血相を変えながらそう言っている。
 
 
 ○6ターン目
 ゴリランダーの”グラススライダー”
 ガチグマ(アカツキ)は一撃でダウンする。
 ゴリランダーは、道具”いのちのたま”によって、
 体力が1/10削れる。
 
 ポケモン廃人WIN
 
「は? なんなんマジで。意味わからんねんけど……。
 ゴリランダーとか、キモいねん。
 あんなん使うやつゴミやん。
 は? は? ……………」
 
 コウキは負けたことのショックで、泣きべそをかいている
 
「うわぁああああーーーーん」
 
コウキは、泣きながら家路についた。
ダイスケもそれに続く。
 
「少し手加減した方が良かったか……」
 
 ポケモン廃人は、子どもを泣かせてしまった事実に落ち込んだ。
 そろそろ家に帰るか、そんなことを思っていると、
 子どもが一人残っていることに気づいた。
 
「ねぇ、お兄ちゃん。
 さっきのゴリランダーってなんであんなに強かったの?」
 
 大人しそうなポケモン好きの少年、ヒロトだった。
 一人残ったヒロトは、ヒーローを見るような目をしている。
 
 「あー、あれは……」
 
 ポケモン廃人は、饒舌に解説をする。
 ヒロトは興味津々で聞いていた。
 
 こういう子が俺みたいになるのか……、ポケモン廃人はそう思った。

終わりに

無職のポケモン廃人シリーズの短編小説を書きました。

ポケモン対戦の描写を書くのが初めてだったので、書くのが難しかったです。どこまで説明したらいいのかなー、って感じでした。

よかったら感想などもらえますととても喜びます。