みなさん、こんにちは。洋之介です。
今回は、短編の小説を書いたのでそれをブログにのせます。
興味をもった方は、読んでくださると嬉しいです。
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本編
『無職のポケモン廃人』
ヤンキーに絡まれる
細い体躯に銀縁の丸メガネ。
黒のフード付きジャージを身につけ、
マスクとイヤホンを装着。
身長173.5cm、無職のポケモン廃人は、
ポケモンを育成しながら夜道を歩いていた。
このポケモンは絶対に強い。
このポケモンは絶対に今の環境に刺さる。
そんなことを思いながら育成する
ポケモン廃人。
「痛て……。お前、どこ見て歩いてんの?」
ポケモン廃人は、ゲームに夢中で気付かず、
人にぶつかってしまった。
しかも相手はいかにもガラが悪いヤンキー達。
一人は、身長165cmぐらいでこずるそうな
メガネをかけた金髪のヒョロガリ。
もう一人は、身長180cmぐらいで
銀髪センター分けのヒョロガリ。
真ん中に堂々とたたずむ一人は、
身長175cmぐらいで、
恰幅がよく目つきが悪いスキンヘッド。
「おや、人にぶつかってしまいましたか。
これは申し訳ない。
失礼します」
そのまま通り過ぎようとするポケモン廃人。
「おい、それが謝る態度かよ!!」
スキンヘッドのヤンキーは、
ポケモン廃人のフードを掴み、
そのまま地面に投げ飛ばす。
ポケモン廃人は体勢を崩し、
メガネが吹っ飛ぶ。
「こいつすげえ間抜けなツラしてるぜ」
金髪ヒョロガリは言った。
「ホントだぜ。すげえムカつく顔だ」
銀髪ヒョロガリはそう言った。
その後、近くにあったメガネを
不敵な笑みと共にを踏み潰す。
ヤンキー達3人の柄の悪い笑い声が
夜中にこだまする。
「申し訳ないのですが、
失礼させていただきます。
今帰らないと育成の予定が
狂ってしまいます」
動揺が全くなく、淡々とそう言うポケモン廃人。
その様子がヤンキー達の気に障ったのか、
スキンヘッドはポケモン廃人の胸ぐらを掴み、
膝蹴りをかます。
「ぐへっ」
気絶しそうになる痛みを
なんとかこらえるポケモン廃人。
「ほお。なかなか根性あるじゃねえか。
……って、お前さっきから手に
何持ってんだよ」
ポケモン廃人は、大事そうにゲーム機を掴んだままだった。
「ちょっとそれ貸せよ」
抵抗するポケモン廃人だったが、
あえなくゲーム機を奪われる。
「は? なんだこれ? ポケモン?
いい歳してポケモンとか、
ガキかよ」
ヤンキー達の笑い声がこだまする。
「なんだオーガポンって。知らねえ」
「あぁ、オーガポンというのは
最近追加されたポケモンでして、
攻撃性能が非常に高いポケモンです。
攻撃種族値は120ほどしかありませんが、
特有のお面補正によって技の威力が1.2倍に……」
「そんなこと聞いてねえ!!
キメエんだよ。お前」
不機嫌そうにそう言うスキンヘッド。
「おい、そいつのポケモン
1匹残らず逃がしとけ。
そうすれば今平然としてるコイツも、
泣きべそをかいてママに助けを求めるはずだ」
愉快そうに笑うヤンキー達。
「……今、なんとおっしゃいましたか?」
「だから、お前のポケモン全部逃すって言ってるんだよ」
午前0時。
夜中にひとときの沈黙が訪れる。
——それは、嵐の前の静けさだった。
「……許さねぇ」
「は? 小声過ぎて聞こえねえよ」
「俺のポケモンに手を出すやつは許さねえ!!!!
殺すぞぉおおおおおおお!!!!」
髪の毛が逆立ち眉間に皺を寄せ、
覇気を放つポケモン廃人。
さっきまでの穏やかな雰囲気とは異なり、
目は充血し顔は溶岩のように燃え、
誰も人を寄せ付けない殺気を放っている。
そのポケモン廃人の雰囲気に気圧されるヤンキー達。
「コイツなんかやべえ。
人をヤル目をしてる」
金髪はそう言った。
「そ、そろそろこんなヤツほって
行きましょう」
銀髪は一歩後退りしながらそう言った。
「チッ。次会った時は覚えておけよ」
スキンヘッドはそう言った。
その後、そそくさとポケモン廃人から離れるヤンキー達。
「……ふぅ。なんとか俺の命を守れた」
元の穏やかな表情に戻り、
時計に目をやるポケモン廃人。
「少々計画が狂いそうでしたが、
問題ないか……」
イヤホンとボロボロになったメガネを装着し、
フードを被るポケモン廃人。
その後ポケモン廃人は、
いつも通りポケモンを育成しながら
夜道を歩いた。
終わりに
ポケモン廃人の小説を書きました。
良かったら感想などを伝えていただけると、とても喜びます。
よろしくお願いします。